株取引の「吊り」の典型例
ケネディクスの株価が11月2日から急騰していたが、
「吊り」だった可能性が高い(図)。
掲示板では急騰していた理由として
「決算情報が漏れている」
と指摘する声もあったが、
仮にそうだった場合
こんなあからさまに上がったら
インサイダー取引であることがばれてしまう。
その可能性は低いと思っていた。
11月9日の取引終了後に
2020年12月期第3四半期決算短信が発表され(表)、
翌営業日はストップ安になった。
高値を個人投資家がつかまされることになったのではないか?
図ケネディクスのチャート図
表201110-1 ケネディクスの2020年12月期第3四半期決算短信(2020年11月9日)
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
純利益 |
1株益 |
1株配 |
15.12④決 |
25,997 |
10,119 |
9,127 |
9,807 |
37.1 |
4 |
16.12④決 |
22,745 |
9,530 |
10,634 |
10,151 |
39.5 |
4 |
17.12④決 |
26,349 |
12,285 |
11,455 |
10,516 |
43.7 |
6 |
18.12④決 |
63,372 |
14,516 |
13,663 |
12,335 |
54.1 |
7 |
19.12④決 |
70,326 |
15,931 |
15,841 |
10,673 |
48.3 |
16 |
20.12②決 |
15,407 |
5,355 |
5,993 |
4,177 |
19.1 |
8.5 |
20.12③決 |
19,635 △59.6 |
6,245 △45.3 |
6,873 △42.1 |
4,796 △41.0 |
21.91 |
… |
19.12③決 |
48,601 |
11,416 |
11,870 |
8,132 |
36.70 |
… |
20.12④予 |
‥ |
16,000 |
16,400 |
11,500 |
- |
8.5 |
*20.12④予 |
70,600 |
16,000 |
16,400 |
11,500 |
52.5 |
8.5 |
*21.12②予 |
35,700 |
5,400 |
6,000 |
4,200 |
19.2 |
8.5 |
*21.12④予 |
75,000 |
16,100 |
16,500 |
11,700 |
53.4 |
17~18 |
*会社四季報2020年第4集予想
アンジェスの新型コロナワクチン開発を巡る怪情報
アンジェスの新型コロナワクチン開発が一つの山場にさしかかっている。
そのためか不確かな情報が増えてきた。
ついこの間もNHKが開発時期について誤報を出したばかりだ。しかしNHKが記事の内容を訂正したので解決済だ。
確認中であるがおそらく誤報と思われる情報は次の二つ。
一つ目は吉村大阪府知事の発言だ。
「アンジェスワクチンは現在第3・4相」としている。
現在は第1・2相が終わって結果報告を準備中だ。
吉村府知事の発言は誤りだが、何故そんな発言をしたのか解せない。
二つ目は最終治験の被験者募集が始まったという情報。
現在、医薬品医療機器総合機構に承認されているのは第1・2相の治験。
第3相治験は改めて申請をして承認を得なければならない。
それなのに被験者募集が始まったというのはどういうことか?
この情報で一時的にアンジェスの株価が上昇したというのだから嫌な感じだ。
課題2 銘柄Ⅰ-Jのトレンドを予測せよ。
10月6日の業績予想の上方修正以来わかりにくい株価で推移しているが、
10月27日の912円で下げ止まったと判断できる。
このまま上昇トレンドを維持するのか、
ボックス相場を形成するのか判断するのは時期尚早。
新しい材料が出てこない限り下降トレンド入りの可能性は排除していいだろう。
表 銘柄Ⅰ-Jの半年チャート
アンジェスの2020年12月期第3四半期決算
10月26日にアンジェスが2020年12月期第3四半期決算短信を発表した。
内容は想定内だった。
新型コロナワクチン開発に関して総額100億円以上の助成金を受けられることになっており、それがどのように決算に反映するか興味があったが、予想どおり反映されていなかった。助成金の反映は本決算ということになるだろう。
もう一つ気になったのが「継続企業の前提に関する重要事象等」だ。
野村證券・証券用語解説集(資料201026-2)によると、
「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合」であって、「当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に重要な不確実性が認められる」時は、財務諸表(連結財務諸表)に「継続企業の前提に関する注記」することが義務付けられている。
アンジェスは2020年12月期第3四半期決算短信で「継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している」ので「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況」であることを認めている。
しかし、「当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしている」ので
「継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められ」ず、「継続企業の前提に関する注記」は必要ない、としている。
ちなみに保有銘柄の中では小僧寿しに「継続企業の前提に関する注記」がある。
アンジェスの2020年12月期第3四半期決算(2020年10月26日)
業績結果・見込み
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
純利益 |
1株益 |
1株配 |
19.12①決 |
75 |
△918 |
△938 |
△1,183 |
△11.92 |
… |
19.12②決 |
172 |
△1,709 |
△1,733 |
△1,973 |
△19.26 |
0 |
20.12①決 |
5 |
△974 |
△922 |
△919 |
△8.57 |
… |
20.12②決 |
16 |
△1,766 |
△1,896 |
△1,896 |
△16.58 |
0 |
20.12③決 |
28 |
△2,857 |
△3,150 |
△3,174 |
△27.08 |
… |
19.12③決 |
323 |
△2,358 |
△2,385 |
△2,770 |
△26.65 |
… |
20.12④予 |
非開示 |
売上高・営業利益・経常利益・純利益の単位は百万円
1株益・1株配の単位は円
目標①「含み損解消」
課題1 銘柄Nの売買損益-42,670円を解消せよ
課題1を設定したが、いきなりそれは出来ない。
ストップ高になれば可能であるが、
半年前ならばいざ知らず現状でそれを期待することはできない。
従って戻り売りを繰り返すことにより損失解消を図るが、
まずは「含み損解消」を目標①とする。
今日の銘柄N52円×200株買によって900株保有、
平均取得単価は60円、
終値は53円なので
含み損は-6,300円となった。この含み損を縮小させる。
明日下がればW%Rは-75以下になるので買い増し、
上がれば200~400株を売る。
下降トレンドであるが明日は少し上がるという見込みだ。
エンベロープで-7.5の乖離曲線に株価が触れている。
銘柄Nの場合+7.5~-7.5の範囲を超えることが珍しくないので
一応の目安でしかないが。
今回は予想の当たり外れにあまり意味はない。
課題1 売買損益-42,670円を取り戻せ
所得を増やすために行う株式投資だが、
実際は逆の結果に終わってしまうことが多い。
この世はままならないことばかり。
株式投資も例外ではない。
取引当初は上手くいっていた銘柄Nの売買は
ある日を境に損失が増えていくようになってしまった。
下表の10月15日を境に取引のたびに損失が生じるようになってしまった。
その損失合計は-42,670円。
現在も銘柄Nを700株保有している。
平均所有コスト62円に対し、10月28日の終値は54円なので
-5,600円の含み損をかかえていることになる。
ここをスタート地点とし、
売買損益の-42,670円を
少しでも利益が生じているような状態にしたい。
課題1 売買損益-42,670円を取り戻せ
表 銘柄Nの売買損益状況(2020年10月28日現在)
売却約定日 |
売却株数 |
売却価格 |
売却代金 |
買付代金 |
売買損益 |
2020/10/26 |
800 |
58 |
46,600 |
61,600 |
-15,000 |
2020/10/19 |
1,000 |
53 |
53,000 |
77,000 |
-24,000 |
2020/10/15 |
1,000 |
50 |
50,000 |
77,000 |
-27,000 |
2020/8/20 |
600 |
79 |
47,400 |
46,800 |
600 |
2020/8/19 |
500 |
82 |
41,230 |
39,000 |
2,230 |
2020/8/14 |
3,000 |
78 |
235,000 |
237,000 |
-2,000 |
2020/7/27 |
1,100 |
81 |
89,900 |
83,600 |
6,300 |
2020/7/16 |
300 |
76 |
22,800 |
22,200 |
600 |
2020/7/10 |
300 |
80 |
24,000 |
22,800 |
1,200 |
2020/6/29 |
400 |
85 |
34,000 |
19,600 |
14,400 |
合計 |
643,930 |
686,600 |
-42,670 |
GoToトラベルキャンペーンを来年ゴールデンウィークまで延長するなら偏りを是正すべき
テレビのニュースをみて驚いた。
GoToトラベルキャンペーンは1月末をもって終了することになっているが、
その延長が検討されているそうだ。
キャンペーンが延長されることは
観光業者にはまだまだ支援が必要なので
当然である。
しかし、今の仕組みを全く見直さないつもりのようだ。
これには驚きを通り越して呆れてしまった。
現状のGoToキャンペーンは客単価の高いホテルに有利だ。
その結果、GoToトラベルキャンペーンにより
客単価の高いホテルの客室の客足は戻ったが
一般ビジネスホテルの経営は苦しいままだ。
例えば、客室100室で1泊4万円のホテルが80%の稼働の場合、
1日あたり112万円が補助されるのに対して、
同じく客室100室で1泊8,000円のホテルが30%の稼働の場合、
15万6千円しか補助されない。これは税金の使い方として不公平だろう。
GoToトラベルの不平等は客単価の高いホテルが有利なだけではない。
大手旅行サイトが有利であるし、
一人が何度でも宿泊できるという点も不公平である。
当初は仕方がなかったとしても
来年の2月以降はこれらの点に見直しがされるべきだ。
例えば客単価の高いホテルが有利なことについては補助率を変えればない。
1泊1万円以下は40%、
1万5千円は30%、
2万円は20%とすればよい。
それともこのような不公平を放置しておく必要があるのだろうか?